2015年6月の通信から

里山の緑のグラデーションが美しい季節、夜ともなれば、田んぼに囲まれたわが家は蛙の大合唱につつまれます。毎日精一杯自分を生きている1・2歳児といっしょに還暦過ぎの保育士も自分を生きようと奮闘する今日この頃です。みなさんお元気ですか。

登校拒否・不登校を考える夏の合宿が今年は山口で開催されます。福島からはちょっと遠いのですが、以前に福島の親の会主催の講演会に講師として来ていただいた西村秀明さんが実行委員長です。記念講演は樹木希林さん、都合のつく方は出かけてみませんか。

4月発行のほんとの空通信で、「不登校体験記をホームページにアップします。」とお知らせしましたら、通信を読んで下さった方からたくさんの切手とともに「パソコンはやりません」とお手紙をいただきました。お手紙ありがとうございました。
締め切りと字数制限の中での、かいつまんだ体験記ですが今号に掲載させていただきます。


わが子が不登校になったとき        

 長男は、小学校6年の5月の連休明けに、風邪のような症状を訴えて学校を休んだあと、学校へ行けなくなりました。当初は何とかして学校へ戻そうと、その方法を求めて学校側と連絡をとり、校長先生の言うとおり子どもを連れて校長室へ訪れたり、教育センターを訪れたりしました。学校の行事だけでも参加させようと、少年自然の家の宿泊学習には、行き渋る子どもを車に乗せて親の送り迎えで参加させました。ハイキングやキャンプファイヤーなど、楽しいはずの行事が、当時の子どもにとっては苦行だということに気づきませんでした。ハイキングで撮ったクラスの集合写真には、元気なときとは別人の青白い顔をした息子が写っていました。その後も教室に入れるようになるための保健室登校をしたり、先生との信頼関係が大事と親が画策したりもしましたが、今考えると子どもの気持ちを理解することなく、親の不安をなくすための行動をあれこれとして、子どもを苦しめていたのだと思います。

そんな時、地元の新聞に「登校拒否トーク」が開催されるとの記事が掲載されました。不登校の子どもたちが、バンド演奏をするというのです。また、不登校の子どもを持つ親たちが自らの体験を語るシンポジウムも開くというのです。私は子どもを連れて参加しました。このときが、私と長男の「ふくしま登校拒否を考える会」との出会いでした。

親の会の例会に参加するようになると、わが子の不登校を経験した親の方々の話に目からうろこの連続でした。そして、不登校の子どもにしてはいけないことを次々としていたことに気づかされたのです。それからは、同じ体験をした親の会の方々に、様々な局面で悩みを相談することができました。親の会の全国ネット主催で行われる夏の全国合宿に参加することで、多くの当事者に出会い、多様な学び方があることを知り、成長への希望を持つことができました。

現在35歳になる長男は親の会と出会ったことで、不要な自己否定から開放され、多くの友人を得て自分らしく学び成長していきました。親子ともども親の会との出会いが社会を見る目も育ててくれたと自負しています。

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