2014年12月の通信から

舅を病院へ連れ添っていった帰り道、久しぶりに実家の前を通りました。母が亡くなり、住人のいなくなってしまった実家には、夏に一度草刈にいく程度でほとんど足を向けることがなくなりました。その夏の草刈も今夏は忙しさにかまけてさぼってしまい、どんなことになっているやら、ますます足が遠のきます。久々に通ってびっくりしました。門前にある藤がつるを伸ばして、家の軒先から中に入らんばかりのいきおいです。門前に植えた藤つるが門扉に生き物のように何重にも絡みつき、庭には背高く伸びた雑草が生い茂り足を踏み入れる隙もないという状態。舅を家に送り届けてから剪定ばさみやのこぎりを持って、たまたま帰省していた息子と一緒に実家の草刈りに戻りました。
門前の藤はこの家を建てたと当時、母が植えたものです。私が小6のときですから樹齢50年にはなるわけですが、手入れをする人もいなくなり、毎年春になると縦横無尽につるを伸ばし悩みの種でした。このさい息子に切ってもらうことにしました。のこぎりを入れながら息子は「哀しいね。おばあちゃんが植えたんだろう。」と言うので「孫のあなたが切るのだからおばあちゃん喜んでくれるよ。」と言いました。「そうだね。」息子も何となく納得してのこぎりを入れました。ちょっとした雑木林のようになっていた実家の庭を、ある程度刈り払いして帰って来ました。母の告別式で、「おばあちゃんの入れてくれるあまーいコーヒーがもう一度飲みたいよ」と語りかけた息子です。私にとっては他人の好みをまったく理解しようともせずに、誰にでもでもクリームと砂糖をたっぷり入れた自分好みのコーヒーを出す困った母でしたが、息子の言葉でそれぞれの心に残る母がいることを感じました。
今年もおしせまりました。積み残し、やり残しを抱えながら「まあいいか」と年を越したいと思います。

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