2013年2月の通信から

 先日の晴れ間に、久しぶりに雪を頂いた安達太良山を見ました。毎日の通勤道路なので、「あれ、何で久しぶりなのかな」と一瞬考えたのですが、年明けからの雪道の通勤で、遠くの山を眺める余裕もなくハンドルを握りしめ、いつも、道路ばかりを見ていたことに気がつきました。青空を背景にゆったりと広がる安達太良の山脈を見て、出勤前の緊張が緩み、しばし心が和みました。
 2月の声を聞いてからお正月の話で何ですが、私の今年の年賀状には、自分の写真を2枚入れました。 1枚は保育士になったばかりの20代の初々しい(?)私が、子どもを抱き上げて、子どもと2人でガッツポーズをしている写真です。2枚目は昨年秋の職場研修での私です。「還暦保育士になります」と書き添えました。わざわざ表明するほどのこともありませんが、保育の仕事に携わってから、ずいぶん年月がたったのだなと自分自身の感慨を込めました。
 昨年の暮れはめずらしく次男が帰省しました。小学6年で不登校をして、登校拒否を考える全国ネットの夏合宿で知り合った友達のいる尾道に移り住み、以来、中学卒業年齢まで帰らなかった子です。祖母の葬式以来の帰省ですから1年8ヶ月ぶりになります。「今、お風呂に入ったら帰るから」と東京のアパートからの電話のあと、夜遅く帰って来ました。久々に次男を囲んでの休暇で、「雪が見たい」という彼の望みに応じて、夫と3人で猪苗代湖までドライブをしました。風を避けて田んぼで羽を休める白鳥を見たり、会津の郷土料理の「こづゆ」が添えられたそばを食べたりして猪苗代湖畔でひとときを過ごしました。年明けには帰っていきましたが、折々に電話やメールをよこす長男や、季節ごとに祖父母に顔を見せに帰る三男に比べて、ふるさとに縁遠くなりがちな次男ゆえに親として急な帰省にまごつきながらも嬉しいひとときでした。
 わが家の登校拒否児3人はそれぞれの道を経て今を生きていますが、昨今の教育、不登校をめぐる状況には厳しいものがあり、子どもの成長のプロセスをじっくり見守る大人の側の余裕が奪われていると感じています。
 昨年11月に郡山女子大学を会場に開催された、「第31回福島県保育・子育てのつどい」で、心に残った言葉を今年初のこの会報に記させてください。私が出会えたことで励まされ続け、心の支えとなっている方の一人で、保育の世界で長く子どもの立場に立って発言をし、子どものための運動を続けておられる大宮勇雄氏(福島大学教授)の言葉です。

「しつけ」はきちんとするという意味ではなく「しつけ糸で仮縫いをしてしつけ糸をはずす」という意味もある。「大人がそう言うから」じゃなく「自分で判断する」という力が身について、大人の言っていることに反発する。大人の話に一貫していないところを感じて反発しているように見えても、いろいろな体験をくぐり抜けていく中で、自分で判断する力を身につけている。温かく見守っていくことで自分で判断することができるようになる。いいことも悪いこともあって子どもが育っていく。

 「放射能、親は子どものことで鬱になるほど悩んでいる。少しでも放射能にふれさせたくないということでの心配もあるが、お互いの心配をみんなで学びあって前進するためには、日々の子ども達の姿を見て、じゃあどうしようかと学びあいながらお互い成長していく。一人ひとりで悩んでいるのではなく、わが子の子育てを不安の中でしている、お互いの悩みを率直に話し合う中でみんなで学び会って前進していく。お互い学びあって成長していけるところは貴重だと思う。」

 ほんとの空くらぶは子どもの不登校やひきこもりなどの不安や悩みを率直に話し合う場として、月一回の例会を開いています。参加した方がお互いに学びあい、子どもの心に寄りそい共に成長し、学んだことを社会に発信していきます。
 私達の活動は今年24年目になります。これからもよろしくお願いします。
                                  

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